もう17〜18年ほども昔のことでしょうか。
Totoro殿、二人の女性、私と4人で飲みに出かけました。
カウンター席に腰掛けた順は
左からMr.Totoro、私、Xさんと続き、Yさんが右端の壁際でした。
皆であれこれ楽しく話をしながら時間は過ぎました。
そのうちふっとお客様ひとりが、Totoro殿の左隣に座りました。
少し酔っている様子でした。
「う〜っ、おい、いいねぇ、両手にハナっ。」
Totoro殿に話しかけます。
「・・・・・・。」
Totoro殿は何か愛想良く答えていましたが
私の方は”中年のやっかみってのはイヤだな”と思いながら
聞こえてない振りをして同僚の二人と話を続けました。
「ほら、お宅のとなりのっ、いいねぇ。」
「・・・・・・。」
男はさらに続けます。
「あんた、この人を狙っとるじゃろ、わかる。」
「はぁ・・。」
店の女主人はついに助け舟を出しました。
「何いってんの。このひとは奥サンよ。」
「奥さんんっ??いーじゃないの、人妻だってさ。このごろはっ。ねっ?」
「だから、奥さんなの。」
「いーんだよ、いいねぇ。」
最後まで真実を理解することなく
千鳥足の紳士は帰って行きました。
