殿中の男性諸君、ときどき内諸の話をしております。\r
わたくしの席からは聞こえないので
実のあるオハナシか、下らない話題なのかは
わからないのが幸いと申せましょう。\r
遊ぶ約束はおろか、自分の陰口とて気づかない日々でございます。\r
ある夜、Chinnen殿はいつものように洗いものをしておりました。\r
(これが済めば本日は・・・)
と何か考えながらだったのでしょう。\r
「ねえ、今日は残業するつもりなの?」\r
一瞬Chinnen殿が凍ったようでありました。\r
数秒の逡巡のあと、口をついて出てまいりましたのは
「あ・・、あの、その、今日は・・・。」\r
「ん?」\r
「これから・・、梅庵さんが、その・・。」\r
「ん?」\r
「家に来られることに・・・。」\r
「ふーん。」\r
Chinnen殿の狼狽ぶりには、こちらの方が驚いてしまいました。\r
「で?」\r
「え・・・、それだけです。」\r
「いいじゃないのぉ、あのね、君のカップ机に残ってるよ。」
