バケモノ

文化祭の季節です。\r
すっかり忘れていた出来事を思い出しました。\r

高校一年のとき、クラスで模擬店を出そうということで
お化け屋敷と決まったのでした。\r

「コンニャクで顔をなでるってのはどぉ。」\r
「理科研究室から骸骨借りてこようよ。」\r
「バケモノも要るよね。」\r

意見はどんどん、調達先も順調・・・・ところが\r
最後のところで困った。\r

「幽霊のようなもの何かないんかな。」\r
「キクさんとかお岩さんとか。」\r
「ん・・でもお岩さんじゃ可哀相すぎるからね・・せめて雪女くらいで。」\r
「そーだっ、雪女。」\r

その瞬間クラス中が一斉に視線を向けた先は
ぬぁんとっ・・あたしっ。\r
「えっ?」\r
「そのままでいけるよね。」\r
「そーそー。」\r

反対意見はなく、即決まったのでした。\r
腰まであった長〜い髪が『敗因』の過去です。