続・気質

身内を褒めても、何も利益はないのでせうが\r
妹は幼児の頃、とてもとても可愛いかったのです。\r

可愛さが余って、ついカラカイたくなったオジさんは
たぶん、何かの責任を取って寸法の足らなくった指を\
脅しに使ったのでありませう。\r

「う〜い、う〜い。」\r

銭湯であったので、肩どころか\r
すでに全部脱いぢゃってはゐたのですが
ぐずぐず言っている妹の前にスッと立ちはだかって
タンカをきってしまったのでありました。\r

「この子、ワタシの妹!!かまわないでっ!!」\r

このときはまだ、お江戸の訛りも残っていたわたくしでした。\r
オジさんの背中に、俗に言う『くりからもんもん』\r
有名な華やかな絵が描かれていたとは
気づかなかったのでありました。\r

向こう見ずというのは、ほんとうにこの事でせう。