旅館へ向かう道筋は、なぜか鈍行列車の乗り継ぎ。\r
下関で乗り換えた列車は、なぜか満員御礼で立ちっぱなし。\r
熱はかなり高くなって来ました。\r
「どーなるのさーっ。」とは内の声。\r
しんどくってだるくって言葉にはなりません。\r
帰りたい、帰れない、座りたい、座れない。\r
無言で旅館に到着、お食事なんてとんでもない。\r
ただ眠るのみであります・・正直言ってここだけ記憶がナイ。\r
あくる朝、掃除はいいですとかなんとか言って、薬飲んで眠りました。\r
一度目が覚めて、少し何か食べて、薬飲んで眠りました。\r
薬って、『シオノギ』の顆粒で良く効く、白い、アレですね。\r
目もうつろな男と女が、どてらを着たまま過ごし\r
ときどき咳き込んでは薬を飲んでいる姿は普通ではありまっせん。\r
誰とも話さず、誰も寄せ付けず、まるで失楽園・・!!
ああこのときはまだこの言葉はなかったのデシタ。\r
とにかく怪しい!!好奇心の的となるは必定。\r
「あの二人、大丈夫だろうか。」のささやきが\r
今にも聞こえてきそうでした。\r
丸々二日を寝て過ごし、サッパリした顔になったカップルは
何事もなくチェックアウト致しました。\r
身体は無事回復しましたが、懐は予定外の散財で
極寒となったのでありました。
