旅の宿 下

♪きょお〜もぉ〜暮ぅれぇゆうくぅ・・ここは異国ぢゃなかったですね。\r

そっ、虫の居所のハナシでした。\r
身体はすっきり、さぁ眠ろうとしたときハタと気付きました。\r
「ひょっとして、ゴキちゃんと一夜を共にするのぉ。」\r

この世でキライなものはといわれたら\
真っ先に思いつくヤツはっ、ベンベン!!
あまり、好きな方はいらっしゃいませんよねぇ。\r

それと、もうひとつ問題があることに気付いてしまいました。\r

近頃ホテルというものは自動ロックが頑固で憎らしいくらいで
うっかり鍵を持たずに外出して、後から慌てたりするような
それくらいでも普通ですよね。\r

ところがそのドアときたら、旧〜い寮の便所みたいで
蹴ると、ドア〜んと開きそうな頼りない鍵がついているだけ。\r

あれっ、こんなんでよかんべ??

どきどき、いらいら、もじもじで寝付いたのは深夜。\r
あくる日は寝不足で血圧上昇。\r
しかも宿泊予定はもう一晩残っていたのでした。\r

このことは心にだけ留めて帰広しましたが\r
しばらくして同じところから同じお仕事の依頼がありました。\r

で、意を決してこれだけのお願いをしました。\r
「あの、ごめんなさい、ホテル、違うところにお願いできますか。」\r

「えっ、どうしてですか。」\r
「どこでもいーんです、あそこぢゃなかったら。」\r

「でも、うちが頼むんじゃないんで。」\r
「そこを何とか、こちらで予約させていただいてもいいのですが。」\r
「・・・・・。」\r

どうにか聞き入れてくださったのですが、しっくりこないようでした。\r
教訓、やはりホテルの予約は人任せにしな〜い。デシタ。