『春はあけぼの』と申しますが
『春のゆふぐれ』にもしみじみとした喜びが隠されています。\r
こんな風に感じるのはわたくしだけでしょうか。\r
明けるにせよ暮れるにせよ、生命の息吹がその光の色に溶けていることを\
肌が、身体が、知っているのでしょう。\r
大義名分があれば命が軽くなるのは、不思議なことです。\r
長くても100年と少しばかりの人生を\r
急ぐ必要がどこにありましょうか。\r
生まれ変わりや来世があると信じることに異議は申しませぬが\r
たとえ何度目かのこの世だとしても\
自身は何一つ覚えてはいないのです。\r
あなたは「またの日」について確信がおありでしょうか。\r
「今度」や「いつか」のことではなく\r
「今日」と「今」を家族と幸せに過ごしたいと考えることは勝手でしょうか。\r
これは、うたた寝の、「寝言」と思し召して。
