沈丁花

明るくて寒い日ですね。
この季節にはありがちな。

沈丁花が咲く頃になると思い出すことがあります。
15歳の時でした。月1日に中学を卒業しました。

身分が不安定なままで高校入試に挑みます。
美術と体育は実技試験、全部で九目の試験でした。

今日は体育の実技があるというその朝
不覚にも38℃以上の熱を出してふらふらしていました。

「あら、はなこさん、そうなのお、アタシたちの方が有利ね♪」
仲良く毎日一緒だったうちの一人がそう言ったのでした。
試験会場の校庭の、大きな沈丁花の傍らで。

横並び、縦並び

月曜日のひととき、ご機嫌いかがですか。\r
夕べはとても冴え冴えとした良い空でしたね。\r
星も月もとても綺麗でした。\r

そして予想通り、今日は寒い朝を迎えました。\r

首筋を凝らせながら銀行まで歩き\r
渡り鳥のように彼方此方の列に並びました。\r

行列の縄張りそばの立て札をぼんやり見ていると
「ひったくり注意」の警告文に気づきました。\r
どこどこで220万円だったとか、跡をつけられるから気をつけよとか\r
ハンドバッグは車両側に持たないようにとか書いてあります。\r

キャッシュデスペンサーで作業中の方々は、といえば
請求書を持参して金額を確認しながら入金する奥様や\r
札束を勘定している、怪しい眼鏡をかけたおじさんなどであります。\r

後ろから見ていますと、その背中には警戒心がありません。\r
紙幣の柄や枚数が丸見えですし、請求書のデザインや行数もわかります。\r

そーか、こんなところから目をつけられるのですね。\r
隙だらけの平和ぼけ、緊張感のなさを反省いたしました。