ばら寿司

今日もよい天気でした。\r

週二回の母弁日、リクエストの「黒豆ごはん」が都合により延期。\r
「バラ寿司にしたの」と言ってお重を届けてくれました。\r

「バラ寿司ねぇ」\r
心の中で思うのであります。\r
これは地方弁、関東では「ちらし寿司」というのではないかしら。\r
一緒に、生まれた土地を離れてここまでやって来たのに
まだ赤子同然であったわたくしよりも\r
母の方がすっかり新しい場所に馴染んでいるのが不思議です。\r

「ちらし寿司」は子供のころには嫌いなメニューでした。\r
酢飯もしいたけも海老もイヤなのでした。\r

幼稚園に通っていたある日の昼。\r
園児は朝自分で持ってきて、ストーブで温めたお弁当をいただきます。\r
家業がレストランであった当時は、お弁当を昼に届けてもらっていました。\r

待てど暮らせどお弁当が届かない。\r

お弁当を持った母が姿を現したのは、休憩時間が終わったあとでした。\r
ふたを開けてみたら「バラ寿司」。\r

涙が溢れてきて、持って行き所のない悲しさと怒りの気持ちは
そのまま非難する言葉になり、結局その昼は食事をしませんでした。\r

あの日の約束は「オムライス」だったのよね。\r
今日も好物の代打になったけど、今度は美味しくいただきましたよ。\r
感謝・・・。