聞くに聞けない

やはり夕べは雨が降りましたね。\r
さきほどもパラリと落ちました。\r

日曜の午後はいかがお過ごしですか。\r

久しぶりに美容院へ行き、ほとんど居眠りしていました。\r
でも、こんなひどい眠りようは初めてでしょ?
ごめんなさいね、担当さん。\r

エレベータを下りて自宅の扉の鍵を開けるまでに
何軒かの玄関前を通りすぎます。\r

ここ数年は、少し様子が違います。\r
夜八時ごろなら夕餉の、九時十時ならば石鹸の
生活の匂いがするようになりました。\r

同じ棟の同じ階は、並んでいる五軒の内三軒が
17年の間に居住者が入れ替わっています。\r

新しい入居者が、当たり前に、普通に暮らしていることに
なぜかほっと心が温かくなります。\r

そういえばお隣の郵便受け、きちんと締まっています。\r
お隣さん、この日記お読みになったのかしら。\r

・・・まさかね。

海の彼方

今朝から曇っていた空も、我慢が限界になってきた様子です。\r
そろそろ一雨きそうな感じがする夕暮れ、お茶を煎れに席を立ちます。\r

気温がひどく高くなくて過ごしやすい一日ではありましたが\r
「やはり五月は明るくあって欲しい」と思うのは
人のわがままというものでしょうか。\r

窓辺に立つと、風が少しひんやりとして、微かに潮の香りがします。\r
これは、南からやって来たのでしょう。\r
この町の南には海が広がっていますから。\r

・・・海の向こうには何かいいことがあるかしら。\r

山のあなたの空遠く 「幸」すむと人のいふ
噫、われひとゝ尋めゆきて 涙さしぐみかへりきぬ
山のあなたになほ遠く「幸」すむとひとのいふ

カール・ブッセを思い出すなど、感傷に過ぎたようです。\r

さて、今日は貝を手に入れましょう。\r
夕餉の献立が決まりました。