世にも奇妙な物語

それが突然、というのはこちらの都合で言うことですが
と言うのも実際には、商談は以前から行われていたはずですから。\r

けれども傍目にはいきなりとしか映らないものです。\r

ある日のこと、ショールームに車両があります。\r
しかし、一台だけで、ピカピカじゃないどころか\r
どこかくたびれたような「バン」の後ろ姿がありました。\r

世間にお尻を向けたショーウィンドーなど
決して許される代物ではなく\r
玄関のドアに書かれた社名の白い文字からも\r
もっとサイズの小さな物の商いをしている会社と想像されます。\r

普通ならば「受付」か「踊場」と呼ぶのが相応しいような
足を踏み入れてすぐの、入り口近くの御影石の床の上に
世間に背を向けた「商用車」が停められているのでした。\r

そして、その奥には机やコンピュータが備えてありました。