かくも長き不在

キマグレ街のご近所は、企業がひしめいています。\r
小さなビルが多く、古い建物も多いので近頃では空室も目立ちます。\r

ある美容院風散髪屋さんの入っているビルは
長い間1階の入居者がありませんでした。\r

関係ないのですが、この散髪屋さんは腕は良いと評判です。\r
値段は「仕上がりなりのもの」であると聞き及んでいます。\r

ビルの話に戻しましょう。\r

通りに面したガラス張りの、ショールーム向け内装ですから\
全ては丸見えになっています。\r

床は濃いめのグレーの御影石。\r

春が巡り、夏が過ぎ、秋になっても\
ガランとした室内に人気は在りません。\r

昼時に、お総菜を買いに行く道すがら\r
何度も何度も気にして見たものです。\r

そして、ある日。\r

ア・ラ・モード

午前中に見舞われた強い雨。\r
このとき皆様はどこにいらっしゃいましたか?

合同庁舎の前で信号待ちをしていたわたくしは
背にしている庁舎の入り口を一瞬意識致しましたよ。\r

「長く続くようならあそこがあるわ。」\r

すぐに雨脚が弱くなって、その決心が良い意味で無駄になりました。\r
それでもなるべく濡れたくないので「天井のある道」を求めて本通りへ。\r

「タイムサービス」の看板500円を見つけて驚いていると
「本当にこの値段なの?」と老婦人に尋ねられ\r
代わって聞いてあげるハメになりました。\r

結果?そ、ワンピースが500円なり。\r
惜しかったワ、急いでなけりゃ。