百年目

いぶかしく思い、ドアを開けてみました。\r
誰も居ないようです。\r

ふと右下に目をやると、新聞受けにジュースが2個。\r
もう一度廊下の両側を見渡し、前方を見ると
黒い影の端が階段の、上のカーブに沿って吸い込まれて行きました。\r

やった!!!

直ぐに追いかけて声をかけました。\r
「あの・・・、いつも焼き芋を下さっている方ですか?」\r

黒いロングスカートの主は振り返り、黙って頷きました。\r
「ありがとうございます!!」\r

何度も頷くだけの彼女は、以前夜中に押しかけてきた人でした。