光り物には執着しない質、なのでございまする。
ところが近頃、「石」が気にかかっており。
園芸 → 石 と趣味が進化している様子は
まるで老人さながら、と一抹の不安も覚えられましょう。
それはそれ、達観しつつあるということでご勘弁を。
流行に敏い者がすでに商いを始めていますのを
あれこれ眺めておりますれば
「癒される」とか
「元気が出る」とかのうたい文句がきら星の如く。
証明できぬものはあまり心に掛けないわたくしは
精神的な何かの効果を期待をする筈もなく
鉱物としての「石」の色がどんな組成であるのか
心の奥底で興味を抱いているのであります。
昨日「翡翠」と「玉」を分けて書きはしましたが
実は中国では、特にこれを区別していないと聞き及びます。
「玉」には黄色や赤もあり。
19世紀ごろまでは軟玉の「玉」がむしろ徳が高く
硬玉の「翡翠」は石ころほどに目されていたと知れば
これはまた更なる驚きでございましょう。
「翡翠」に価値が生まれましたのは西太后が好んだから
などとも申します。
いずれにせよ、日本人の問いかけに区別して答える辺り
なかなか商売上手だと感心・感服この上もなく存じ。
翻ってこのわたくし
濃い緑色のものがやはり「翡翠」だと内心は譲りませぬ。
ああ硬い頭でございますれば。
