
先日「転身希望」の人材が訪れた。
彼女は技術者になれば使い捨てにされることはないと考えたのであった。
スクールで50時間の授業を受け、卒業制作の見本を携えて。
適性を測ろうとして試験を課した。
応募者は、試験制作をしながらいくつもの面接をこなして
その中から優良と思われる企業を選択し、就職は決まった。
意欲のある人物だったので、新天地で張り切って仕事に臨んでいると思う。
若い人を採用するときは将来性を見る。
磨けば光る石であるか、正直に言えば、素質のなさを努力でカバーできるのかどうか。
覚悟の程を測るには、本当のことを伝えなければならない。
地味な仕事であること。
出来て当たり前であること。
困難を克服してでき上がったものに対する誇りは自分だけのものである。
決してお客様の称賛や評価を期待しないこと。
しかしこの事は言わなかった。
社会に出てから10年ほど経つあなたの同級生は
そろそろ自身の限界に気づき始めているかも知れない。
それでもこの世界に入ってきますか。
