奇妙な情熱にかられたら

「奇妙な情熱にかられて」

数日前から気になっていたタイトルである。
と書いてしまうのは、事実を表すのには充分とは言えない。

もし、特に問題を見いだすことが無ければ、買う。
そう心に決めて出かけたからである。

都合良く、夫が本屋に行く必要があると言いだし
その言葉と車に便乗して、小雨の中を北に向かった。

10階にある書店は、午後9時まで営業している。

少し手間取ったが、2メートル以上はある背の高い書棚の中程に
目当ての新書を見つけた。
「取ってあげよう」と、最上段ばかり見ていたので、夫には探し出せなかった。

春日武彦という著者は、神経科の部長である。

博士だからなのか、崇拝している作家の影響なのか
彼の文体に理論臭と文学的な薫りの両方を感じた理由は、まだわからない。

ミニチュア愛好や収集について書かれていている。

どうでも良いようなことに思いをはせる人は、存外少なくないのだと知り
我田引水と偏見の境に、目に見える線は無いのだと悟った。

当然日記の種とするつもりで床につき、一夜明けて
「今日はミニチュアの日」だと女優が話をしているのがテレビから聞こえた。