車窓から
救急車、消防車、パトロールカーがどこからともなく現れ
トンネル内に吸い込まれて行った。
疑惑は確信へと変わった。
左手に細い道が見える。
気づくと一台前の車両もその道を行こうとしているようだ。
ついて行こう。
突然、二台前に居たバスも左折し、視界を遮られた状態で後に続く。
舗装されていない坂を下ると、バイパスの下を抜けて生活道に出る。
進路は右。
バスは曲がることができなかった。
大きすぎるのだ。
幸い空き地のようなものがあって、そこに後ずさるようにして避け
後続の車両は次々とバイパスをくぐって行った。
住宅地の、狭い道は渋滞した。
幹線道路から流れ来る、湧き水のような車の行列に驚きながらも
路上に停めてあった、園児を送迎する自家用車の運転者は
ギアを入れ替えて道を空けた。
ほどなく市街地へ流れ着き、予定より30分以上遅れて目的地に着いた。
あのとき休憩所に寄らなかったら、巻き込まれていただろう。
途中で食事をしたので帰り着いたのは午後9時を過ぎていた。
大きな三日月が黄色く煌々としている。
それにしても、あのバスはどうなっただろう。
