福山行き

 帰り道

午後から福山へ。

当日に決まったスケジュールの場合、一人で出かけて貰うのが常だが
この度は内心同行を決めていた。

私が居れば、途中で休憩が必要になる。

できれば行かない方が、早く現地に着くのではあったが
相棒が「一緒に」、と言ったときには、躊躇うことなく承諾した。

サービスアリアに近づいたとき、立ち寄るかどうか迷った。
用を足すことに関しては、目的地まで問題ないと思っていた。

しかし、用心に超したことはない。

5分ほど寄り道をしたところで、路線に戻ると渋滞で進まない。
見えているトンネルの入り口はつかえ、対向車は全く流れてこない。

・・・何かが起きた

奇妙な情熱にかられたら

「奇妙な情熱にかられて」

数日前から気になっていたタイトルである。
と書いてしまうのは、事実を表すのには充分とは言えない。

もし、特に問題を見いだすことが無ければ、買う。
そう心に決めて出かけたからである。

都合良く、夫が本屋に行く必要があると言いだし
その言葉と車に便乗して、小雨の中を北に向かった。

10階にある書店は、午後9時まで営業している。

少し手間取ったが、2メートル以上はある背の高い書棚の中程に
目当ての新書を見つけた。
「取ってあげよう」と、最上段ばかり見ていたので、夫には探し出せなかった。

春日武彦という著者は、神経科の部長である。

博士だからなのか、崇拝している作家の影響なのか
彼の文体に理論臭と文学的な薫りの両方を感じた理由は、まだわからない。

ミニチュア愛好や収集について書かれていている。

どうでも良いようなことに思いをはせる人は、存外少なくないのだと知り
我田引水と偏見の境に、目に見える線は無いのだと悟った。

当然日記の種とするつもりで床につき、一夜明けて
「今日はミニチュアの日」だと女優が話をしているのがテレビから聞こえた。