下り列車
「錦川清流線」
カメラを抱えていると、気軽に声をかけてくれるようです。
スーツや大袈裟な鞄、俗悪とは縁の遠い「いでたち」ならではでしょう。
それにきっと、緊張の解けている雰囲気も伝わるのですね。
例えば猫車を押してきた地元のおじさんとの
「ビデオを撮りんさるかいの」、で始まったやりとり。
息子が広島市のとある病院に勤務していると告げ
山里での生活は、自然との闘いだと教えてくれます。
景勝地にも人の暮らしがある。
当たり前のことにあらためて気づきます。
何度も訪れた場所なのに思いつかなかった、絶好のポイントを教えてくれた同好の士。
三脚を肩に次の被写体を追いかける熱意を語ってくれました。
ハンティング帽のおしゃれな老紳士。
「うまくいきましたか」と手を振ります。
こんな風に、一日が過ぎて行きました。
さて、戻ってから出来具合を確かめていると夫が聞きます。
「ねぇ、これ狙ったの?」
見ると緑色の列車前面の、窓ガラスにも桜が写っています。
こんな神業、偶然に決まっています。
最高のお土産を貰った日でした。
皆さん、ありがとう!!
