スランプ その二

さぁ、あなたの目の前には美しい海が拡がっています。
足を揃え、膝に弾みをつけて両腕を延ばし

 ざ・ぶ〜〜ん・・・

飛び込みましたか?
澄んだ水の中を下へ下へと潜り、岩の影に居たアワビを捕ると
急いで海面に向かいます。
あなたは獲物を手に、口笛を吹きながら部屋に戻りました。

これに似た作業を毎日楽しく行っていたのでした。

しかしあるとき、忙しさにかまけて一週間ほども潜らないと
筋肉が少し萎えたような気がしました。

生活を変えよう!!

決断は早かったのですが、実現のためには時間が必要でした。

小さな組織の、給与を支払う立場、というのは
餓死か過労死かの、究極の選択となってしまいがちです。
いやな上司が居ないかわりに、勝手にはできない現実。

仕事の量を減らし、質を少しずつ変えていき
非建設的なものをコツコツ片づけて、食事と睡眠とを確保すると
自分を取り戻すことが出来たのでした。