前日の夕暮れ\
電気をつければ良いのに横着を致しました。
前夜目覚まし時計を合わせるのに、障子越しの薄明かりを使い
五時のつもりがもう少し早かったようです。
おかげで今朝は、夜が明けていくらもしないうちに
「朝ですよ〜っ、おきて下さぁ〜い」の声で目を覚ましたのでした。
ベルと共にしゃべるような仕掛けになっているのです。
しかし、例によって布団の中でごろごろしておりました。
しっかり日が昇るまで動けないさまは、爬虫類さながらです。
ところが、強引に揺すり起こされました。
大地と建物がこぞって上下に、右に左に動くのです。
夫がガスを確認し、食器棚の扉を両手で押さえます。
芸予地震のときにかなり割れてしまったので
食器類が減る痛手を避けたい一心です。
長い長い十五秒が過ぎ、ほっとしてニュースを見ると震度四でした。
こんなに早く起床するなんて、珍事であります。
だからこんなことになるんだ、と笑いながら夫は申しますが
寧ろ、異変を察知していた、と言う方が正しいのではないかと
ひとりほくそ笑むのでした。
