月との遭遇

日没と月の入り時刻がほぼ同時なのを調べてあって
万が一、お雛様のごとく並んでいればいいな
などと考えながら散歩にでかけました。

そったら都合のいいごと、起ぎるわげもね
目をこらして、じぃぃ〜っと待てども、まんず手ぶらに等しがっただす。

ご覧のとおりの空に夾竹桃が揺れるだけでございました。

さて、昨日のことであります。
暑い中を納品に行かんと市中を走りますと
「げに不思議なる者」を発見。

戦に敗れた大将のごとき男が、広島城付近から忽然と現れましてございます。
乗り物は馬・・いや、間違い・・自転車でございました。

服装は、今や思い出せないので普通だったのでしょう。

では、何をもって武将と称すか!!
首から上がまさに、獄門台で晒された「もののふ」のようでありました。

傷などないつるりとした顔に、細いチタン製のツルの眼鏡
ザンバラ髪の後ろは、といえばこれが

満月なのでございますよ!!

肩胛骨あたりまでは届かぬとは思いますが
鎖骨よりは下にブツンと切れた髪が揺れている有り様。

・・・・・何の故あって、このように・・・少し暑さが続き過ぎたのか

など思いを巡らしておりますうちに
自転車は疾風のごとく南へ走り去ったのでありました。

私だけの十字架

先日、ついでに触れた「私だけの十字架」は
自分勝手の名曲リスト、と称して胸の内にあるもののひとつです。

野暮天と知りつつ、例外的に言ってしまいましょう。

完成度の高い詞は、読むだけでも伝わるものがあります。
風景はきちんと描写があって、言葉にリズムが感じられて
しかも行間を読むように出来ています。

曲の助けなどは不要です。

一方曲の方は、短音でも十分に美しい。
メロディーラインがしっかりしていて、心に残ります。
寧ろ忘れられないといったほうが相応しいでしょうか。
アレンジで誤魔化す必要が無いのですね。

決して演歌的にならず、抑え気味に禁欲的に展開して
かえって深いところに届くような歌い方が似合う。
ような気がしています。\

きっと嘆きや懺悔を超えて、鎮魂の歌になるでしょう。

さて、あなたの十字架はどんな風に表現しますか?