
素早くあたりを見回すと、ほかにこの品はなく
残り物かどうかはわかりませんが、ただひとつのようです。
さて、本来の目的の小鉢を見て回ります。
十分近くあれこれ眺めていましたが
もうこれ以上の出物はなさそうです。
レジに持って行き
「値段が無いけど、これいくら?」とたずねます。
若い店員さんは答えます。
「ノリタケですからね」
「百五十円」
「これ、ブランド物ですよ」
「なにかとタイアップしてるんだ」
「かわいいでしょう」
わたくしはただ頷きながら、ニコニコと聞いているだけでした。
そんなことより早く包んでもらって
この場を立ち去りたい気持ちでいっぱいだったからなのです。
支払をすませ、急く思いを抑えながら待っている車に乗ると
「はい」と夫に手渡しました。
トトロのマグカップを。
