海辺の十六夜

きれいな夕空になると予想したとおりでした。

マリーナホップ」の駐車場に停め、三脚を担いで急ぎます。
見る見る陽は落ちて、黄金からオレンジ色に雲は染まって行きました。

エンジン音で、そろそろフライトが近いとわかるのに
少し遠くて定かではなく、狙いをつけられずにいると

あっ

と思った瞬間に風が起こって大きな鉄の鳥が走り出しました。

広島西飛行場から飛び立つ飛行機は
海に伸びた滑走路を滑って、ダイビングするかに見えて浮上します。

その後ろ姿を見送り

待つこと1時間。 

東を仰ぐと月が燦然としていたのでした。

目で見たように、撮りたい。
チャレンジは続きます。

都会の満月

「プロですか?」

相生橋から平和公園をつなぐ橋の上で三脚を立て、ファインダーを覗いているとき
構えだけでこのように問われてしまうのは、女だからですね。

どこで「かべちょろ撮り」をしていようと不審に思われないのもまた
女ゆえの利点でありましょうけれども。