
三段峡近くのダム湖。
隠れている右手に水辺は拡がっています。
水面に映る木々を写し撮りたくて、夫は柵を越え
岸へと降りていきました。
その気配を感じながら3枚ほど山をカメラにおさめて
停めてあった車に向かっていると、背後で大きな音がしました。
バシャ〜ン。
片足が深みにはまったようです。
苔で滑ったのでした。
落ちた〜っ!!
彼は急いで車へ戻り、ずぶぬれの靴と靴下を脱ぎます。
右足のスボンの裾をたくし上げると
膝に見事な紫陽花のつぼみが出来ていました。
(あら、きっと明日には花開くわね)
もっと深いところだと危なかった。
人は咄嗟には声が出ないモンだ。
カメラを落としちゃいけないので大変だった。
(うふ、大袈裟ねぇ)
二日経った今夜も、風呂上がりに湿布を貼り付けています。
転ぶまいとして支えにした手が、一番の重症でした。

