皆既月食

宇品港、車を降りて公園から東を臨めば、この景色にめぐり合うことができます。

右に見えます赤いのが怪奇、いえ「皆既月食」でございます。

なんだって!! しかしこれは

「小京都竹原と花火」、絵になるところを求めて車を走らせた。
いつもなら要領よく事が運ぶはずが
何故かこの日は、出かける前から迷いがあった。

片付けておく仕事があって出発が遅くなりそうだったので
心のどこかに、取りやめるべきではないか、という念がちらついていたのである。

案の定、混雑、駐車場無し。

こういうとき、粘り勝ちをする私たちもあっさりと引き上げが決定した。
夏の間走り回った疲れがあったかも知れない。

帰り道、少しだけ撮せば溜飲が下がるのではないかと
首をもたげてきた未練がましい思いに押し上げられるように
川尻付近で橋を見つけ、近くに停めた。
おあつらえ向きに駐車場、しかも他には一台しか居ないので気楽だ。

数分も海を眺めていただろうか。

車に戻って夫がエンジンをかけた瞬間、敗北感に見舞われた。
音だけで火がつかないライターの如く、愛車はカリカリ言うだけなのである。

「エンジンがかからないよぉ・・・」

ディーラーに連絡すると「バッテリーですね。広の拠点から参ります」と嬉しい回答。
気持ちが落ち着いたところでもう一度試すと、なんと、今度はエンジンがかかった。

拠点は電話で断って、広島の本社へ向かう。

一時間後、本社で部品を交換してもらう間、お茶とジュレをご馳走になった。
帰りには冷たいラーメンの袋をお土産にいただいて、ご機嫌で帰宅した。

さて、翌週末は宮崎と鹿児島まで出張の予定が入っている。
一日のうちにやり遂げなくてはならない業務だ。

前もって整備ができたことは、不思議な幸運だ。
そう日記には書いておこう!!