
事務所に着くと、玄関前に人だかりがある。
工事があると聞いてはいたが、今日も含まれていたらしい。
どのみち午後からは出かける考えでいた。
集中力を欠いた作業よりは、しばしの開放を楽しむことにしよう。
先週の宇品の花火ではいまひとつ納得していなかった我々「きまぐれ隊」。
何しろ広島市のはずれ、西飛行場から宇品港を望遠で撮影したため
停泊中の船が障害物となって、爆撃されている戦艦さながらとなったのであった。
ここはひとつリベンジと意を強くした。
花火大会は1,000発が最低基準なのか
それ以下は調べても見つけられなかった。
中国地方の大半は3,000発から6,000発を一時間程度で打ち上げる。
万単位になると観客は十万単位となって
とても混雑の中に三脚を据えることはできそうにない。
浜田漁港を選ぶ。
過去のデータでは5,000発、観客動員57,000人。
早くに出かければなんとか端っこにでも陣取れるに違いない。
浜田漁港に着いたのは午後早いうちであった。
会場周辺には既にシートが数多く敷かれ、そこここに屋台も置かれている。
車から降りると、潮の香りがした。
準備をしている主催者のスタッフに尋ねると
目の前の台場で点火が行われるらしい。
最前列が既に埋まっている状況では、正攻法では撮影が困難のようである。
眺めのよい高台が無いか、近辺の穴場を探すことにした。
浜田マリン大橋を渡ると、キャンプもできる小さな浜があった。
