橋を渡りきったところに駐車場とトイレがあって、小山には櫓が建っていた。
なかなか良い眺めである。
ここと決めて水と食料を買い、炎天下で三時間ばかり過ごした。
頭痛がしてきた頃老夫婦に出会った。
例年漁港で見物しているが、今年は違うところで観たいと言う。
ひとしきり辺りを点検し、水中花火は木々が死角となって無理だと教えてくれた。
赤い衝撃が疲れた身体を走った。
早速荷物をまとめて埠頭の最西端に車を移動した。
右前方に打上げの台は確認できるものの、不安は残る。
キャンプさながらテントを用意している家族連れ。
餌を撒いている釣り人。
三脚を据えているのは、私たちと後から来た二人連れだけのようだ。
露店からイカを焼く匂いがしている。
待つこと二時間。
石見神楽のお囃子が遠くなったと思うと、爆音がした。
光の饗宴が始まったのだ
それからは夢中でシャッターを切った。
