行列に並んだのはそろそろ10時30分という頃でした。
旧大社駅で15分ほどを過ごして銅鳥居を潜ると
札を持った警備員が注意を呼びかけているところでした。
ひとつには3時間かかること、ふたつには服装によっては本殿に入ることは許されないこと。
中には不満を言っている声も聞こえましたが、概ね理解されているようでした。
正確に六十年に一度と決まっていたわけではないようですが
これまでも幾度か御遷宮御造営(屋根の葺き替えなどを主とする御修理)が成されています。
国宝の修繕費用は総工費八十億円の大事業で
本殿を一般に公開すると同時に、広く寄付を募っていました。
日本最古の神社建築様式である「大社造り」はやはり見事な大きさです。
高い廊下に立つと、吹き渡る五月の風が心地よく髪を揺らしました。
「八雲」と呼ばれながら御本殿の天井には七つが描かれているのみ。
古代の謎に思いを馳せた3時間でした。
