下関フィッシングパーク

 下関は名高い花火大会の催される日とあって、恐らく込み合っているはず。
それと知っていながら、都合で帰省を強行した。
 広島市からバイパスに上がり、宮島あたりまでは多少混雑したが
その後は大した問題も無く門司に到着した。

 さて、戻り道である。

 壇ノ浦PAはイベントのため閉鎖。
墓参りを済ませた後の休憩所としては格好のここへ行けないとあれば
どこか海岸にでも行って、あわよくば夕焼けでも撮れれば御の字と決め込んだ。

 門司港から川棚温泉に向かう国道は海岸沿いにある。
西に海が開けている地形から、間違いなく日没時分は美しいだろう。
しかも今日は適当な雲があって、空は青い。

 車は北へ。

 この日の判断にひとつだけ曇りがあったとすれば
住んでいる場所よりかなり西へ寄っていることを忘れていたことだ。
駐車場で日の暮れるのを待つが、太陽がいつまでも輝いている。

 間が持たないのを高校野球を観て誤魔化す。

 地元如水館と大阪代表の試合は4-4の同点で
逆転のチャンスに残塁となったところで相方から声がかかった。

 「日が沈み始めた。」

 相方の二台を含めた計五台のカメラを持って焼け石となった堤防に近づく。
中途半端なアングルしかなさそうだ。
左手に釣り用の橋が長く伸びているのを見つけ
端の先まで行っても良いか管理人に許しを請うた。

 足元で金網ごしに透ける波にクラクラとしながら橋を進んだが
いつの間にかそんなことは気にならなくなっていたようだ。

 満月も近い夕暮れを切り取ることができた。

下関フィッシングパーク