寝床

元旦でも働く人を知っている。\r

わたくしのことではない。\r
60余人の従業員をかかえた、ある企業の社長のことである。\r

ある日、顔が紅潮しているのを従業員に指摘され、体調不良に気づいた。\r
熱があろうと風邪をひこうと、気づかぬくらいの忙しさなのである。\r

多くの良心的な経営者は似たようなものである。\r
しかし激務であっても、休暇は取れない。\r

休日の数と、最低賃金の両方を法律に従って営業すると
あふれた仕事は放置されるか「ただ働き」してこなすのか。\r

わたくしも、ゆっくりできるのは棺桶の中なのかもしれない。

聖夜

今日はクリスマスイブ。\r

昨日の「男」のことを思い出す。\r
あれからどうしただろうか。\r
暖かい寝床はあるのだろうか。\r

広島市内でも同様な風情の者を見ると書いた。\r

公園や緑地帯のベンチで過ごす彼らの姿を見ると、心が痛い。\r
同情ではない。\r
漠とした不安にかられる。\r

誰でも可能性はあるように感じられるからだ。\r

それにしても都市というのは、なかなか度量があるではないか。\r
公共の場の水道は、安全で、かつ使い放題であるし\r
ゴミ箱には賞味期限切れでも腐敗していない食べ物が捨ててある。\r

寒空に野宿しても風邪をひかない身体さえ持っていれば
この国では「働かなくても餓えない」のだ。\r

不景気で、この豊かさである。