今日こそは、と思い申したが実に実に、お寒うござる。\r
なに、懐具合なら毎度のこと。\r
気温のことを申しているのでござる、ござる。\r
おう、おぬしは別のところとな。\r
敢えて触れぬように致そう・・・・・武士の情けぢゃ。\r
夕べは烏賊を目指して買い物に行けども\
鯛の刺身を持ち帰ることに相成った。\r
ま、それはよろしいのぢゃ。\r
我が夫の着物のお腹のあたりが
またしてもゆるみ加減になっているのを見つけ、愕然でござる。\r
彼はハカリに乗りたがらないのでござる。\r
故に真実は明かではござらぬが、15貫目ほどかと推察致す。\r
ところで彼の視力を、裸眼では三寸先のモノの判別は不可と
妻は見揺るのでござる。\r
おそらく足元の文字は汚れと見まごうばかりでござろう。\r
その眼鏡を外せば、その身は200匁ほどは軽かろう、とも\
妻は思うているのでござる。\r
夫が計らんときには必ず眼鏡を着けるワケは
いずれの事情によるものか、いぶかしいのでござる。
